いざという時、訓練以上のことはできない。過去の教訓に学び、保育園から始める避難訓練。


2020年10月27日放送
M…MC/水田薫アナウンサー
堀…堀江宗巨


M「先生は安佐南区にあります、くすの木保育園の大園長、堀江宗巨さんです。こんにちは」

堀「こんにちは」

M「よろしくお願いします」

堀「よろしくお願いします」

M「近況いかがですか?秋深まってきましたね」

堀「そうですね。紅葉が日に日にきれいになってきていい季節だなと思いますね」

M「保育園のお泊り会のほうは進んでるんですか?」

堀「おかげさまで、祇園園舎では20人いる年長さんを3グループに分けて毎週やらせてもらってます」

M「毎週、大変~(笑)。そうか密にならないように気を付けると一度に終わらないという。大変だけど子どもたちも親御さんたちからもいい反応じゃないですか?」

堀「そうですね。自分たちで晩御飯のメニューを決めて、食材を注文して買いに行って、カレー作ったりたこ焼きつくったりしてるんですけど、めちゃめちゃ面白いみたいで終わってみるとみんな、またやりたい、またやりたいって言って、大きな自信になってるみたいです。保護者の方からもやって良かったですというお声が多くて良かったなと」

M「そうですね。これからの時期気温が下がってくると、風邪とかインフルエンザとかも心配な時期ですけど、もう大変ですね保育園も」

堀「今年はコロナのおかげといいますか、すごく手洗いうがいが徹底されてますので例年よりは風邪をひいたり病気になったりする子が少ないかなというのが救いですね」 



M「さて今日は保育園でやってらっしゃる避難訓練についてお聞きしたいのですが」

堀「これがですね、毎月一回必ずやらないといけないんですね」

M「月に一回ですか?

 堀「最初は毎月毎月やってて、子どもたちを消防士にしたいのかなと(笑)何でこんなにやらないといけないのかなと思ってたんですけども、だんだんその意味がわかってきて、特にいろんな過去の自然災害の被害を学ぶについれて、これは真面目に真剣にやらないといけないなと最近は特に気合を入れてやっています

 M「例えば避難といってもいろいろな災害、火事、地震とかありますけど…

 堀「一番メインは火事なんです。特に園舎内で火事にあった、どういうふうに避難しますかと。火事の起こった場所を給食室だったり子どもたちの部屋だったり廊下だったりと設定を変えて避難のしかたを変えるのがメインです。あとはやっぱり地震ですね、地震が起こったらどうするか。それから広島の場合は水災害ですよね、水災害が起こったらどうするか。あとは不審者ですね、不審者に出会ったらどいうするの。そういったこともやっています」

M「子どもたちは何歳くらいから理解してますか」

堀「だいたい2歳ぐらいから何となく。3歳4歳からは本気で取り組んで理解してくれてますね」

M「ちゃんと指示に従うもんですか?」

堀「スタッフが真剣にやると子どもたちも結構真剣に対応してくれるんですね。これが小学生の大きい子になると、どうせ訓練だしーみたいな感じになるんですけど(笑)。非常ベルも本番のを鳴らしますから」

M「そうなんですか!すごい本格的」

堀「ましてや不審者は、私も毎年楽しみになってるんですけど、不審者役で変装しますんで…」

M「堀江さんが?(笑)さすまた持ってる方でなくて不審者の方?」

堀「はい。まず髪型はアフロのカツラをかぶって、サングラスをして、去年は竹刀を持って保育園の周りをうろつくというのを通行人に笑われながらやっておりました(笑)」

M「(笑)不審者の場合は具体的にいうと…」

堀「私が不審者ですという感じで園の周りをグルグル回って窓を覗いてみたり、塀をよじ登ってみたり玄関のドアをたたいてみたりして…。気付いたスタッフがあわてたりして子どもたちを不安にしては元も子もないので暗号を決めてるんですね。先日は紙芝居をしますというのを暗号にしてまして」

M「へぇ~暗号?」

堀「不審者に気が付いたスタッフが『これから紙芝居をしますから1階トイレの前に集まってください』と暗号をふれて回って、それを聞いた各部屋のスタッフが、あっ不審者だみたいな感じで、子どもたちを集めて静かに安全な場所に誘導していくと…」

M「へぇ~、すごいな~」

堀「この前はたまたま紙芝居でしたけど、毎回変えてみて、『市長さんが来ました』とか『区長さんが来ます』とか、だんだん何が暗号だったかわかんなくなるんですけど(笑)」


M「それで子どもたちは逆にノリノリになったりしないんですか(笑)。あと『イカノオスシ』っていうのを小学校ではやりますけど、保育園でももうやるんですね」

堀「これは基本というか徹底することで、不審者にはついていかないということになるかなと思います」

M「ついてイカない。車にノらない。オお声を出す。スぐ逃げる。周りの大人にシらせる。でイカノオスシ。…子どもたちもちゃんと理解してくれてますか?」

堀「そうですね、特に3歳以上になるとご家庭においてもお父さんお母さんが、知らない人について行ってはいけないのよ、とか名前を呼ばれてもついていっちゃだめよとかね今では家庭でも言われていますので。子どもたちは家庭と園とで両方から言われるとすっごく素直に実践してくれますので大丈夫です」

M「そしてまた手元に消防訓練実施報告書っていうのがあるんですが、これスゴイですね。堀江さんが作られた書類ですがこれを提出するんですか?」

堀「そうなんです。避難訓練をしましたらこういう報告書を作成して、毎年一回役所の監査があるんですけど、そこでかなり入念に見られますね」

M「ん~すごい、紙芝居が始まりますという保育士の言葉に…って書いてありますね。避難訓練って大事なんですねやっぱり」

堀「そうですね、やっぱり訓練しとかないといざという時には訓練以上のことはなかなか出来ませんからとても大事になってきますね」

M「そうですよね、例えばディズニーランドとかでもすごく頻繁に訓練してて、地震や台風の時などもすごくクルーがちゃんとやれるという話、聞きますよね」

堀「まさに、ああいう特に不特定多数の方を集めて運営しているところはなおさらだと思いますね」

M「東日本大震災の時も、いろいろな所で災害が起きましたけども、避難訓練をちゃんとやってるかやっていないかということでかなり違いがあるという話がありましたよね」

堀「被害に遭われた施設とそうじゃない施設を分析されてる方がいらっしゃって、難を逃れたっていう方々は日頃から訓練を一所懸命やられてたところ。逆に災害の犠牲になった方々というのは残念ながら訓練もままならなかったというケースが大変多かったと聞いています」

M「私も大人になってから避難訓練って、学校とか保育園とか子どもたちがいる現場でお仕事されてる方はやるかもしれないけど…なかなかないですよ。マンションの避難訓練で年に1回やるかどうか…」

堀「大丈夫じゃろってだいたいみんな思うんです」

M「ですよね」

堀「この間も大丈夫だったからって大人は思うんですけど、子どもたちはきっちり毎回毎回言うと、いや地震の後は逃げんといけんのんよとか、変な人が来たら近寄っちゃいけんのんよって、本当素直ですからすごく効果がありますね」

M「小さい頃からそうやってきちんとやってくだされば、防災意識も培われますよね」

堀「そうですね、釜石小で184人の小学生全員が被害に遭わずに生きていたっていうのがありましたけども、あれはずっと何年も前から防災の専門家が入られてずっと防災教育をされてたんですよね。その賜物なんです。」

MC「へぇ~」

堀「しかも釜石小は午後から短縮授業で子どもたちは友だちの家に遊びに行ったり、海に釣りに行ったりして学校の先生とは全然違う所で違うことをみんなしていたんですよね。でも地震の後は波が来るから逃げようぜって言って子どもたちで主体的に話し合ってみんなで逃げてみんな助かったっていう事例がありますので、我々もいざという時は子どもたち一人でもそうやって対応できるようにしていきたいと思っています」

M「そうですね、大人がしっかりしなきゃいけないし、子どもに教わることもあるでしょうし、こうやって保育園でもしっかりやっていただけたらありがたいですね」

堀「そうですね」 


M「くすの木保育園くうねあでは、今いろんなイベントがあったりするようですけども、新卒の採用試験は?」

堀「毎年、11月前後にさせていただいているんですけど、今年も若干名、新卒の採用を計画してます。ぜひふるって大勢の方にご参加いただきたいなと思ってます!」

M「あの、私が言うのもなんですが、めっちゃ良い園ですよ」

堀「ありがとうございます」

M「本当にきれいだし、すごくいろんなところに気を使っていらっしゃるし、なんせ子どもたちの目がキラキラしてて、すごく居心地のいい園だと思います」

堀「ありがとうございます」

M「新卒採用試験が11月14日、9時からということで。その前に見学会があるんですね。11月7日土曜日、10時から。お問い合わせはくうねあさんでいいですか?」

堀「そうですね。ホームページを見ていただきますと専用のページに誘導するバナーがありますので、そこからエントリーしていただいてまず見学会でどんな園か見ていただいて、いいじゃんてなれば次の週が試験なんですけど。まぁ試験って言っても、全然フランクな試験ですから」

M「試験、何やるんだろうなって思ってたんですけど」

堀「子どものおもちゃで遊んでもらったり、絵本を読んでもらったりして遊んだり読んだりしてるのを何となく見るだけです」

M「なるほど。保育士さんの採用試験ってピアノが弾けるとか工作できるとかイメージがあったんですけど…。決め手は何ですか?」

堀「決め手はですね、まぁ、何となく(笑)」

M「園の子どもたちと波長が合うような?」

堀「そうですね」

M「興味のある方は、平仮名でくうねあで検索しますとホームページが出てきますので、チェックしてみてください。じゃあ最後にラジオをお聞きの皆さんにくすの木保育園大園長より何かありましたらお願いします」

堀「はい、それでは、イカノオスシは食べられませんけど、子どもたちの安全を守っていくためには、大事なスローガンですので、ついてイカない。車にノらない。オお声を出す。スぐ逃げる。周りの大人にシらせる。っていうことでイカノオスシを広めていきたいと思いますので宜しくお願いいたします」

M「はい、私も広めていきたいと思います。くすの木保育園の大園長、堀江宗巨さんでした。ありがとうございました」

堀「ありがとうございます」


(終り) 

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