ベビーシッターのマッチングサービスで起った事件に一言




2020年6月23日放送

M…MC/水田薫アナウンサー
堀…堀江宗巨


M「さぁ先生は安佐南区にあります、くすの木保育園の大園長、堀江宗巨さんです。こんにちは」

堀「こんにちは」

M「よろしくお願いします」

堀「よろしくお願いします」

M「いろんなところで自粛が緩和されてきていますが、いかがお過ごしですか先生」

(※コロナ禍の影響で、全国の小・中・高等学校などに3月2日~臨時休校が要請され、広島県では緊急事態宣言が2020年4月16日~5月14日に行われた)

堀「そうですね、保育園もだんだん日常を取り戻してきておりまして、いい感じで来てます」

M「子どもたちはマスクしないんですか?」

堀「子どもの年齢によって分けてるんですけど、0歳1歳2歳はマスクをしなくてもいいですよ、むしろするほうが今は危ないのでやめときましょうねと。3歳以上は、子どもが出来るんだったらして、嫌がる様だったら無理にするのはやめましょうというふうにしてます」

M「保護者の方のお迎えの時とかはマスクがっつりしてって感じですか?」

堀「そうですね、保護者の方には原則マスク着用でやってまして、スタッフには外に出たりする時にはしなくていいよと」

M「外遊びとかですか?」

堀「えぇ、もう熱中症になって倒れそうですからね」

M「そっちがねぇ、心配ですもんねぇ」

堀「あとは今0歳児の部屋では、透明なマスクをしてます。食事の時など口の動きとか大人の顔の表情とかがわからないと難しいかなということで、今透明マスクを試験的に使用してやっています」

M「なるほどねぇ、いろいろ工夫しながらやってらっしゃいますね」 



M「さて、今日の話題なんですけども、シッターさんの話ですね。キッズラインというシッターのマッチング会社で、ちょっと立て続けに事件が続いているということで。どういったことでしょうか?」

堀「はい、ベビーシッターサービスのマッチングについては、過去いろいろ事件や事故があって、その後、登録制になったり、注意事項というのが行政から発表されたりして、我々サービス提供会社も毎年毎年、役所に申請をして、これだけのスタッフがいますとか、こういう研修をしてますとか、徐々に行政の監督機能というのが強化されてはいるんですけども。その中でマッチングというのは、サービスを受けたいAさんと、サービスを提供したいBさんをサイト上で、出会い系サイトよろしく、ペアにしていくというサービスをしている会社がありまして、その中で今回はご利用されたお子さんに男性シッターから被害を受けたということが立て続けに続いちゃったということなんですね」

M「くうねあさんのベビーシッターサービス『アンファンス』ではうちもずっとお世話になって」

堀「ありがとうございます」

M「今もう卒業したんですけど、おかげさまで。赤ちゃんの時にはね、本当にもう。堀江さんのところは最初に登録する時にきちんと書類に全部書いてちゃんとシッターさんとお話を聞いてって、毎回すごくうちの子もシッターさんに育ててもらったって感じですごく良かったんですけど…。事件になったこのマッチングってどういう基準でこの人とこの人を…」

堀「これはですね、マッチング会社にもよるんですが、大きなところになればなるほどシッターさんを管理するのが大変ですから、面接もあってないようなもんなんですね」

M「怖い、怖い怖い、だれが来るかわからない?」

堀「で、そのまんま登録していただいてサイトにAさんBさんCさん、みたいな感じで載せといて、それを見た利用者の方がAさん、Bさん、Cさんに直接申し込んで利用されるところが多いですね」

M「なるほどね、そんなに需要があるというかみなさん利用するものですか? 自分でやると思うとちょっと怖いですね。」

堀「それが何で流行るのかっていうと、コストがかからないので安くベビーシッターさんを利用できるんですね。で、どういう事かと言うと、我々の『アンファンス』のサービスっていうのは全て対面なんですね。問い合わせがあると、とにかく資料を持ってお伺いして、ご説明して、シッターさんも面接したいと言われると事前にお試しで面接していただいて。それから依頼も事務所にメールなり電話なりいただいて、依頼が来たらそこからまたシッターさんを探すという…」

M「事務所の方が一人いらっしゃいますもんね」

堀「めちゃめちゃアナログで手間暇かけてやらせてもらってるんですけど、それはコストに反映されてどうしても値段的には高くなるんです。マッチングサイトはそこの手間暇をスコッと取り除いてるので、その分安くサービスを提供できるし利用できるというのが一番の魅力ですね」

M「そっか、例えば1時間千円ぐらいでみてくれるとかですか」

堀「はい」

M「そしたら若いお母さんとか、そっちが楽かなと思っちゃいますかね」

堀「そうですね」

M「あと、この男性のシッターさんていうのが、私、実は見たことがないんですけど、『アンファンス』さんにもいらっしゃいますか?」

堀「はい、います」

M「あっ、いらっしゃるんですね」

堀「イベントで複数のシッターさんで大勢のお子さまをお預かりする時に、男性シッターさんに活躍してもらってるんですけど、一対一で個人宅に派遣することはほとんどないですね」

M「ん~うち娘二人なんで、私がいない時に家の中でみてもらうスタイルだと、やっぱり男性シッターさんだと心配になっちゃう…もちろん信頼おける方でしょうし、ちゃんと指導してらっしゃるでしょうけども、やっぱり不安になっちゃう」

堀「一人ですね男性シッターで個人宅に行ったことがあるんですけど、それ誰かというと、私です」(笑)

M(笑)

堀「人がいなくてですね、私でいいですかって言ったら、あっいいですよって言ってもらえたんで行かせていただいたことがあります」

M「そうか今うちにいないんで行くとしたら自分ですよと(笑) 今回のようなキッズラインの例をみますと、男性シッターさんの登録はやめたみたいな流れなんですよね」

堀「そうなんですよね」

M「ただ問題はそこじゃないと」

堀「はい、あくまでも男性だろうが女性だろうが、適正に欠く人は駄目ですし、どちらでもすごくいい人であればどんどん活躍していただきたいと思うんですね」

M「はい」

堀「ただ、マッチングサイトの場合は、そこのチェックができないですよね。会社の責任者とシッターさんが直接会って、この人はどういう人かなとか、あるいはこの会社はどういう理念で運営されているのかなとかお互いにお互いをチェックすることが行われてないですから。そこをスルーして現場でやり取りされるというのが一番の問題かなと思いますね」

M「シッター会社を経由するのであれば、その責任というか、そこはちゃんとしなきゃ」

堀「そうですね。例えて言えばウーバーイーツ。ウーバーが運営していますけど、運んでるものがひっくり返っていようが冷めていようが配達人とお店に言ってください。会社は関係ありませんよというスタンスですよね。ベビーシッターは食べ物でなくてお子さまに関わる仕事ですけど、どの分野でも運営会社がそこは知りませんというのは、やっぱり駄目ですよね」

M「駄目でしょう」

堀「だったら、やらなければいいのにって話になるんですよね」 


M「ベビーシッター業界が皆でこうしましょうねっていうのはないんですか?」

堀「ないんです」

M「じゃあ勝手に会社つくって、募集して…、シッターさんだって明確な試験とか資格があるものではないんですよね」

堀「はい」

M「やっぱり怖い」

堀「例えば認可保育園は役所が許可しないとなれませんけど、ベビーシッターは許認可制ではなく登録制なので誰でもやろうと思えばできるんですね」

M「国レベルで駄目じゃないのって言ってくれないんですか」

堀「ええ、言ってくれないです。なので、定期的にこういった事件や事故が繰り返されてるのかなという気がします」

M「じゃあ私たち利用する方もしっかりちゃんと見て、信頼がおけるかどうか…」

堀「そうですね、こと子どもに関係することですから。自己責任ですみたいな、ちょっと突き放したような理論はあまりなじまないですね。やっぱり社会全体で子どもや子育てを支えていこうという機運をつくっていかないといけませんから。自己責任ではなくて皆の問題として、人手が足りないのであれば安心してまかせる人をどうやって現場に派遣するかを皆で考えて、安心して利用できる体制を作っていかないといけないですね」 


M「コロナ禍でベビーシッター業界にすごく需要があったっていうふうに聞いてて、もしかしたらここ数か月でゴロゴロ、シッター会社ができてるんじゃないかと思って…」

堀「そうですね、東京とか都心ではそういうこともあると思いますけど、広島ではそこまで市場もないので大きな変化はないと思います。ただこれから気を付けていただきたいですね」

M「そうですね、キッズラインというシッターのマッチング会社で、事件がいくつか立て続けにあったという事です。在宅ワークしているお母さんの隣の部屋で性犯罪が起こってるとか、本当に何かやりきれないですね」

堀「何してるんじゃ!そんな感じですよね」

M「だからこういうところが出てくると、ちゃんとやってるところまで大丈夫?って言われたりしますよね」

堀「もうねぇ、駄目ですよ本当に」

M「どうしらいいと思いますか?こういうのをなくすためには」

堀「やはりモデルとして参考になるのは認可保育所制度をひとつ手本にするという事ですね。ある程度のハードルを設けないと、誰でもいつでも出来る事業というのは質が高くなりにくいですからね。 やっぱり難しい基準をクリアしてこそ、質の高いものが提供できると思いますので、こういった機会をきっかけにして公的な基準を作っていくのが大事かなと思います」

M「そうですよね、ちゃんと国レベルで法律作るとか、ちゃんとシステム作って、このレベルに到達できないところは会社経営できませんよってね。…経営っていえば…、フリーのシッターさんっているんですか?」

堀「いらっしゃいますね」

M「そうなんですねー!うわぁー、なんかシッター業界は沼だなぁ!」

堀「そうですね、まだまだこれからっていう業界かもしれないですね」

M「でもね、皆さん。くうねあさんの『アンファンス』は本当に本当にしっかりしていらっしゃって。私、感動するサービスでした。マンツーマン保育園みたいな感じで。シッターさんって子どもをみてくれる程度に思ってたら大間違いで、アンファンスさんは手作りの玩具とか折り紙とかいろんな遊び道具が出てきて、子どもたちが飽きることなく、シッターさんが帰る時には『帰らないでー』って泣きだすぐらい。本当に素晴らしいんですよ。若干お高いんですけど…(笑)。 詳しくはホームページでご覧ください。ひらがなで“くうねあ”で検索すると堀江さんが出てきてくれます(笑)。そこに保育園事業とベビーシッター事業と出てきますのでね」

堀「そうですね、ぜひお願いします」


M「ベビーシッターを利用する際には、まず自分の目でしっかり確かめていただきたいと思います」 

堀「はい」

M「くすの木保育園の大園長、堀江宗巨さんでした。ありがとうございました」

堀「ありがとうございます」


 (終り) 


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