コロナ禍でわかった『保育園はライフライン』だ!


2020年5月26日放送

M…MC/水田薫アナウンサー
堀…堀江宗巨


M「さて時刻はもうすぐ12時40分になるところです。今日は保育の話です。 先生は安佐南区にあります、くすの木保育園の大園長、堀江宗巨さんです。 こんにちは」

堀「こんにちは」

M「よろしくお願いします」

堀「よろしくお願いします」

M「スタジオ来られてビックリしたでしょう」

堀「はい、なんかあの拘置所の面会に来た感じで。行ったことはありませんけどドラマとかでよく見る、ね」(笑)

M「私と堀江さんの間には感染対策でビニールシートがかかっております(笑)。緊急事態宣言は解除されましたが、ここのところ保育園どういう活動でしたか?」

(※5月14日、広島県が国の緊急事態宣言の対象地域から解除)

堀「はい保育園はですね、実は今月の末までは登園自粛要請というのが広島市長から出てまして、一応末までは登園自粛してね、という事になってます。で6月から通常の運営になるんですけども、今日現在で登園されている方が私どもの園でだいたい7割ぐらい。3割ぐらいの方がまだ登園を自粛されていて7割ぐらいの方が登園されているという感じですかね」

M「それはやっぱり親御さんも解除という事でお仕事が再開とか何かそういう影響とかもあるんですかね」

堀「そうですね、あのう、ゴールデンウィーク明けぐらいはですね4割ぐらいの登園率だったんですけども、ちょとずつちょっとずつ上がってきて、仕事が始まりましたとか、もうこれ以上家にいるのはっていう方もいらっしゃって、ぜひ来てくださいという事で今7割ぐらいの登園率になっていますね」

M「子どもたちは、どうなんですか。うわぁ久しぶりー、うれしいーみたいな感じがあるんですかね?」

堀「子どもたちはですね、実はあのー自粛期間中に私、突撃TELコールということで自粛されているご家庭にアットランダムにお電話させていただいて、どうですかっていう近況伺いをして子どもたちの様子を伺いますと、多くのご家庭で、なんかこうみんなで一緒に居れて喜んでますっていう、お子さんが多かったんですよね」

M「家で家族と一緒にっていうのがうれしいと。そっちなんだ」

堀「なんかですね、お父さんお母さんに怒られてもですねえ、パパとママと一緒に居てうぁーいみたいな。子どもの視点に立つと、そういう感じが多かったですかね意外に」

M「在宅ワークをしているお父さんにっとてみたら、もう子どもたちが寄って来ちゃって寄って来ちゃって仕事が進まないっていう声もあったんじゃないですかねぇ」

堀「そうですね、あの特に多かったのは、4月中は子どもたちと居れて楽しかったんですけど、5月になってからは"もーっ"ていうですね」

M「わかるぅ」

堀「こういうお声が多かったですね」

M「わかる、うちなんか女の子二人で、ずーと話しかけられてるんですよ。テレビもついててテレビ見てくれりゃいいのに、テレビで言っているいろんな言葉をこれ何これ何これ何ってずーと質問されてて進みやしないの何かもうね。私はうんざりで、もう家事もしたくなくて。よく寝ました最近(笑)…保育士さんとか働くスタッフの視点でいくとどうなんですか」

堀「そうですね、特に自宅に小さい子どもや高齢者がいらっしゃる保育士さんは、何か働くのに対してちょっと後ろ向きだったりしてですね、個別の事情を加味して特別休暇ということで家に居てもらっていいですよとか、家でままごとで使ういろんな具材を作ってねとか、そういう在宅勤務みたいな事をしてもらったりしましたけども、概ね多くの保育士さんは、がんばって働きますって感じで来てくれましたね」

M「医療従事者の皆さんとかライフラインの皆さんとかと一緒で保育士さんも本当、使命感と責任感で働いてくださってるっていうイメージが」

堀「そうですね、もうあの、現場のスタッフを鼓舞しないといけませんから、警察・消防・保育園っていう『わしらもライフラインの一つじゃ』っていうことでがんばろうって、特に気を遣ってくれた保育士さんは、公共交通機関を使って通勤してくるとそこで伝染ってはいけないし感染してはいけないということで、いつもバスで来てた道のりを自転車で来ましたとかですね」

M「そうなんですね」

堀「あとまあ園では、手指消毒の消毒液をミニボトルに詰めてですね、それぞれ配布して、とにかくシュシュシュシュしながら来てくれるように対策を練ったりしていましたね」 


M「何かあのフライデーオベーションやったそうじゃないですか」

堀「はい広島市がですね、毎週金曜日の正午に医療従事者にエールを送ろうという事でやられてるっていうのを聞きましてですね、ちょっとやってみようかと先週の金曜日に総務系のスタッフとたまたま休憩していたスタッフ10人くらいで外に出て突然拍手をし始めてですね、そうするとちょっと怪しまれるかなと思ったんで、感謝っていう紙をコピーしてフライデーオベーションだよっていうふうにして1分くらい拍手をしてみました。やってみると気持ちよかったです」

M「1分、結構長いですね」

堀「長いですね、最初はどうかなって思ったんですけど、やってみると本当に多くのいろんな方に感謝しなきゃなっていう気持ちがこの私にも芽生えてきまして、ちょっとほっこりした感じになりましたね」

M「物資は足りてるんですか。マスクとか消毒とか」

堀「そうですね、今本当にありがたいことにマスクはいろんな知り合いの方々からどうですかどうですかと言われて都合9000枚。方々に頼んでたら気が付いたらそれくらいどかどかどかと突然届いちゃいまして。消毒液も会社の方からいただいて、特に飲食業されている方は1か月クローズドされてましたから、お店で使ってて余ったのがあるんでどうですかとお声がけいただいて。マスクと消毒液はいつの間にかたくさんになりました」 


M「そうですか、因みに保育園に自粛で行きませんっていうご家庭の保育料ってどうなってるんですか」

堀「はい、これがですね、戻ってくるんですね」

M「えっ戻ってくる?」

堀「はい、特に広島市長から登園自粛要請が出された期間について、ご協力いただいた方は、休んだ日を園が証明して7月の保育料で相殺されるようになってるんですね」

M「あ、そうなんですね」

堀「これは非常に画期的でですね」

M「やるじゃん」(笑)

堀「びっくりです。これは本当すごいなぁ、広島市すごいなぁと思いましたね」

M「市町村単位だから、他の市はどうなっているかはわからない?」

堀「えぇ知らないんですよ。しかも現場のスタッフには、ちゃんと運営費を出しますよと、保証しますよと。で、休んだ人には戻しますよということなので、ちょっと財政が大丈夫なのかなと余計な心配ですけど。これはすごい決断をされたと思いますね」

M「なるほど、じゃぁ家庭によっては困ってるっていうこともなく、保育の経営のほうも滞りなく。ちょっと今、素晴らしいと思った」

堀「もう、パチパチパチパチという感じで」 


M「6月以降は通常の保育に戻るという事なんですけども。でも新しい生活様式とか言われてて、保育園ではどういう対策を?」

堀「そうですね、まさしく保育園は3密の場なので」

M「子どもたちくっついちゃうから」

堀「距離も取れませんし、居酒屋さんとかでは横並びでとか言ってますけど、保育園で横並びの給食は介助が必要ですから出来ないですし。こういう物(感染対策ビニールシート)があると子どもたちつついて遊んじゃいますから」

M「ビニールシートはつつくでしょうね」

堀「なので通常通り行うんですけど、園で出来ることと言えば、換気ですよね。換気はとれるのでとにかく窓を開けっぱなしと、それからどうしても密着、密接してしまいますから、とにかく健康な人が保育園に来るということを徹底してですね、少しでも健康に不安があればやっぱり登園を控えると。あるいはスタッフの場合は出勤を控えるということで、とにかく感染症が蔓延する事態だけは避けたいなと気を付けてますね」

M「これから暑くなりますけど、換気換気って言ってて、でも暑いからエアコン入れちゃうし、そのへんのバランスはどうなのかなって」

堀「そうですね、我々の園ではダイキンさんのエアコンを入れてるんですけど、性能マックスでですね、換気しながら冷やすという。(笑)もうこれしかないかなと思いますね」

M「換気しながら冷やす。(笑)だって熱中症とかもマスクしてたらやはり」

堀「昨日もですね、小児科医会というところから、満2歳児未満はマスクは控えてくださいと、かえってあぶないですよとちゃんと打ち出されました。現場で見ててもですね、それ無理じゃろぉって。2歳児以上でもですね、マスクどうなん?って子もいますから。なるべくマスクをしないというのが、子どもにとってはいいかなと思います。 換気をしながら、冷やしながらと。ながら運営ですね。もう効率とか省エネとか気にしていられないですよね」

M「そうですねぁ。今いろいろわかったのは広島市ががんばったということと、子どもたちにとっては、この自粛期間はお父さんお母さんと一緒に居てうれしかったと」(笑) 


M「じゃぁラジオをお聞きの皆さんに何かメッセージをお願いします」

堀「はい。警察、消防、保育園ということで、保育園をぜひ頼っていただいてですね、いい関係性の中でいい子育ての環境を、大人がリラックスして維持していくっていうことに努めていきたいなと思います。ぜひ、ご家庭と幼稚園、保育園と連携をとりながら子育ての環境を育んでいきたいなと思います」

M「はい。くすの木保育園の大園長、堀江宗巨さんでした。ありがとうございました」

堀「ありがとうございます」


(終り) 

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