成長のための通過儀礼『お泊り保育』。コロナに負けず、しぶとく、たくましく。


2020年9月22日放送
M…MC/水田薫アナウンサー
堀…堀江宗巨 


M「先生は安佐南区にあります、くすの木保育園の大園長、堀江宗巨さんです。こんにちは」

堀「こんにちは」

M「よろしくお願いします」

堀「お願いします」

M「4連休ですけどいかがお過ごしでしょうか?」

堀「ありがたいことに静かに仕事ができるので、働かせていただいてます」

M「保育園事業は、保育園をやっているときだけが仕事じゃなくて、子どもたちがいないときにいろんな書類書いたりとか、いろんな申請したりとかあるんですね」

堀「もう電話も掛かってきませんし、ちょっといいですかっていう相談もありませんし、集中してできるので頑張ってます」

M「いいお天気なのにもったいないですけどね」(笑) 


M「さて前回、運動会とかお泊り保育とかをどうするかっていうアンケートを保護者のみなさんにとってというお話をされてましたが、その後どうなりました?」

堀「はい、アンケートの結果は何となく半々なんですけど、いろんなご意見をいただいておりまして、その後クラスごとに保護者ミーティングをさせていただいて、みんなで直接顔を合わせて10人ぐらいのグループに小分けしたミーティングを行いましてその結果、やろう、と」

M「やる?」

堀「はい、ほぼ全会一致ですかね。中には心配される方もいらっしゃるんですけども特に年長の保護者の方は『子どもが去年からお泊り保育は楽しみにしている』と…」

M「う~んうんうん」

堀「そもそもですね、保育園には毎日行っているので、お泊り保育ぐらいで心配なことはないんじゃないかと」

M「そうですよね、どこか人込みにいくわけじゃなく、いつも行っている保育園に朝までいるっていうことですから、それで感染リスクが急激に上がるっていうことは…」

堀「そうですね、ということでやってみましょうかと」

M「良かったですね~、やっぱり保育園児にとってお泊り保育はすごい一大イベントですよね」

堀「そうですね。ただ、ぜったいやらないといけないって事はないんですよね。何故かというと小学生に入ると5年生になるくらいまでお泊りとかないですよね」

M「そうそう」

堀「年長の時は1泊、小1の時は2泊とか増えていくのならいいですけどそうではなくて、全く必要性はないんですけども、これやってみてわかったのが、成長の過程における通過儀礼なんですね」

M「ふ~ん」

堀「つまり、人工的に一皮むけるイベントを作ってあげて、それを子どもたちが乗り切って一皮むけたなって感じが非常にしますね」

M「堀江さんところのお泊り保育は、そこでお泊りするだけじゃなくて、例えばイベントごとやご飯つくったりとかするんですか?」

堀「そうですね、『子どもたちの、子どもたちによる、子どもたちのためのお泊り保育』という大きなテーマがありまして、何をしたいか?から子どもたちだけで何か月も前から話し合ってもらって、準備に何がいるかとかを大人が主導していくのではなくて子どもたちが自分で決めていき、自分たちでプログラムも作って、何時まで寝んといけんよねとか何時に起きてご飯何時までに作らんといけんよねとか決めるんですよね」

M「へぇ~、すご~い」

堀「この話し合いの場面がすっごく面白いんですよ。最初はねみんなトンチンカンなこと言って、自分の意見が通らないと拗ねて部屋の隅っこでうずくまったりしながらだんだん一体感が生まれて乗り切っていくんですよね」

M「ほぉ、それで最後はちゃんとまとまると…」

堀「はい」

M「子どもによっては、親と離れて寝食するというの初めての子も多いでしょうから一大冒険ですよね」

堀「そうですね、もう不安がすごく大きいんですけど、それ以上のワクワクドキドキ、みんなといるという両極端の葛藤ですよね。それを一晩抱えて乗り切ると相当自信になるんですよね」

M「お泊りの時は、堀江大園長も一緒にいるんですか?」

堀「はい。僕は別の部屋で何かあったら見に行けるように、ずっとうずくまって待機しています」

M「大変だそれも。でも無事に開催できることになって私は良かったなって思いますね」

堀「ありがとうございます」

M「運動会もやられるんですか?」

堀「運動会もアンケートをとりまして、概ねやった方がいいかなという結果になって、もともと日常の延長線上に運動会を位置付けてますから特別に何かをするっていうのは我々の運動会ではないんですけど、まぁ、普段の様子を運動会という場面でうまく運動でもって表現することでやってみようと…。で当然ですね、参加させたくないとか、ちょっとお年寄りは行けないといった方々にも配慮しながらやってみようということになりました」

M「いろいろ気づかいをしながら子どもたちにとってはいい思い出になりますね」 


M「それから、9月からオープンスペースを開くっておっしゃってましたけど…東野でしたよね、いかがですか?」

堀「おかげさまで、今はちょっとコロナの関係もありますから密にならないように予約制にしてるんですけども、毎日ご予約をいただいて受け入れ可能な組数の範囲で、特に地域の方に『もう待ってました』『行くところどこもなかったんです』、とおいでいただきくつろいで過ごして喜んでいただいてます」

M「おいくらでしたっけ?」

堀「1日、100円です」

M「そうですよね、100円で1日いられるんですもんね。オープンスペースの名前なんでしたっけ」

堀「くすの木です」

M「オープンスペースくすの木です。安佐南区の東野にあります。ちょっと分かりづらいところ…」

堀「そうですね、もう住宅地のど真ん中ですから」

M「はい、問い合わせていただいて、場所確認していただいて、予約をして向かってくださいということですね」

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子育てオープンスペース「くすの木」
住所/ 広島市安佐南区東野二丁目7-11
電話/ 082-554-1539
ご利用日/ 月曜日~金曜日(祝日、年末年始はお休みです)
ご利用時間/ 10:00~15:00
対象/おおむね3歳未満のお子さまとその保護者、妊婦
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M「はい、そしてそろそろ保活の時期ですね」

堀「はい、そうですね」

M「保育園の申し込みは第1次が…」

堀「はい11月から始まります」

M「ということはそろそろ見学したりとか、あちこち見てみたりっていう時期ですよね」

堀「そうですね、10月からは幼稚園の受付が始まりますから、だいたいこの8月9月10月といろんな幼稚園、保育園を見学したり情報を集めている方が増えてくる時期になります」

M「見学したい時は、まずやっぱりお電話とかですか?」

堀「そうですね。本によっては普段の保育園の様子を見ましょうということで、いきなり行きましょうって書いてある本もあるんですけど、いきなり来られると困るんですよね。特にお昼時とかお昼寝時とかにピンポンって来られると、えっ~てなりますから…。今コロナの関係もありますので予約をしての見学を絶対おすすめします」

M「はい、見学のポイントはありますか?」

堀「そうですね、子どもが長時間滞在する場所になりますから、わが子が長時間いる場所としてどうかなぁという視点で見ていただきたいですね。とかくパッと見の印象で『かわいい』とか『キレイ、キタナイ』とかどうしても最初はそういうところに目を奪われてしまうんですけど、あるいは壁に貼ってあるものとか気になってみますよね」

M「見ちゃう見ちゃう」

堀「わが子が長時間過ごすことになると、例えば壁にベタベタいろんなものが貼ってあるのがいいのかどうかとか、あるいは固い椅子しかないとか、どうしてもゴロゴロしたりしますからなんかこう柔らかい床とか柔らかいものとかあると全然違ったりするんですよね」

M「わかる。床でこの木いいなっていう床ありますよね。それ大事かもしれないですよね」

堀「特に子どもの目の高さで見渡して見られると環境がわかりやすいと思いますね」

M「そうか、じゃぁ座って見るとかね」

堀「そうですね、いいと思いますね」

M「あと、お話を聞くのは主任の方がいいとか…」

堀「えぇ、だいたいどこの園も園長さんってずーとは居ませんので、ずっと居る方に聞いてみられるのが実態をよく反映してると思います」

M「聞くポイントとしてはどいうところを質問したらいいですか?」

堀「特に園で大事なのは、保育目標だったり保育理念なんですね。こういうのがお題目で終わっているのか?例えば思いやりあふれる子にしたいっていうのを本気で目指しているのかっていうのは、パッと行ってパッと聞かれた時に、パッと出てくるかでだいたい決まるんですよね」

M「へ~」

堀「この園で大事な夢は何ですかとか目標は何ですかって聞かれた時に、い、いや~みたいな感じだとそれがやっぱり浸透されてないし、パッと出てくるようであればキチッと浸透されてるんだなと思いますね」

M「くすの木保育園の理念は何ですか?」

堀「はい、『しぶとく、たくましく』なんです」

M「じゃぁしぶとくたくましい子がいっぱい…」

堀「これ呪文のように毎日唱えてますので…」(笑)

M「なるほど~(笑)、そういうところ聞いたほうがいいんですね。あの見学はやっぱりお子さんと一緒に行ったほうがいいですか?」

堀「そうですね、子どもの反応やわが子に接していただいている方の接し具合とかが参考になりますから、お子さんと一緒に行った方がいいと思います」

M「なるほど、1か所2か所でなく気になるところは行ったほうがいいですね」

堀「そうですね、特に今、幼稚園も預かり延長があったり、夏休み冬休みも大丈夫ですよというところがあったり、あと最近、企業主導型保育所といっていろんな会社や人が集まったりするところに出来ている保育園があります。いろんな形で保育する場が増えてますから、何が違うのかとか最初の頃はちんぷんかんぷんだと思います。とにかく分からなければ役所に電話すればものすごく丁寧に教えていただけますから、どんな施設が周りにあって、どのくらい空きがあって、どのくらいの入りやすさなのかとかは事前に情報として掴んでおいた方がいいと思います」

M「役所で聞いていいんですね。何課ですか?」

堀「保育指導課、もしくは各区の福祉センターですね。一番リアルに地域の情報に接しているのは区の福祉センターですので電話されて保育アドバイザーという方がいらっしゃいますので、その方にいろいろ聞かれてみるといろんなアドバイスをいただけると思います」

M「へぇ勉強になります。みなさん、良かったらぜひ参考になさってください。本当に今は幼稚園だったりこども園だったり、保育園も認可とそうでないのと企業主導型と…いろんなのがありますから…」

堀「はい、もう普通働いている人でもだんだん訳わかんなくなってますから…」

M「そうですね、で気を付けないといけないのは保育園も希望のところに入れるとは限らないと…」

堀「そうなんですね。あんなに見に行ったのにここ入れないじゃんっていうのがあって、これがもうしょうがないんですね。なのでそうなった時用に、やっぱり家庭と園とでバランスをとっていくという考えが次に必要なんですね。例えば泥んこ遊びが好きで、そういう保育園に行かせたいと思っていたけど、そうでない保育園に決まっちゃったと。そうするともうしょうがないですから、土日や連休の時に思いっきり泥んこ遊び出来るところに遊びに行くとか、そうやって家庭と園とでバランスをとっていくという考えが大事になってくるかなと思いますね」

M「なるほど、今日も勉強になりました。ではよかったら今日もラジオをお聴きのみなさんへのメッセージをお願いします」

堀「はい。どこに決まるか分からないとはいうものの、保育園は園によって保育目標や保育の内容が全く違ったりしますので、家の近くから順番に選ぶとか…悩んだ時はそれでもいいんですけども、まだ時間がありますから、いろいろ見学されたり調べてみていただいて、お子さまにとっていいところに決まることを願っております」

M「はい、くすの木保育園の大園長、堀江宗巨さんでした。ありがとうございました」

堀「ありがとうございます」 


 (終り) 

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